カポエィラは、アフリカの大地を連想させる音色やリズムに合わせ訓練する唯一の武術と言えます。
その音楽を取り巻く神秘な響きは、黒人奴隷たちの怒りや悲しみを思い起こさせ、闘志を沸き立たせますが、
同時に、あらゆる感情を押し殺し働き続けた人奴隷たちの強さや精神力は、
カポエィラを学ぶ者にあらゆる感情をコントロールすることを教えます。
勝つことが第一であり、勝つために練習する他の格闘技とは、全く形を異にしているのです。
カポエイラの精神を学ぶことにより、自信が持てるようになったり、自制心が身についたり、
身体だけでなく精神面にもかなり影響を与えると言われます。
特に女性は、何事にも恐れない強い決断力と行動力を持つようになります。
そして、幼い頃からカポエィラを学んでいる子供達は、自然に人を敬い、他との調和を考える事を学びます。
その他にもカポエィラは、現在ブラジルが抱えている社会問題であるストリート・チルドレンの問題にも大きく貢献しています。
これらの子供達を更正させるプログラムにはカポエィラの授業も用いられることもあります。
プログラムの中では、子供達はカポエィラで身体を動かし、練習のなかでカポエィラの精神を学び、
犯罪の道に走ることのないように、生きる希望を見い出せるように取り組まれています。
帯の色と熟練度
カポエィラ・ヘジォナウを見たときにまず目につくのが、
真っ白の服装の中、しっぽのようにすらっと伸びる色付きの帯でしょう。
そしてカポエィラ・アンゴーラでは帯が用いられないことも気づくことでしょう。
ヘジォナウといえば帯(コルダォン)と連想しますが、
事実、ヘジォナウの創始者であるメストレ・ビンバ自身はカポエィラに帯を取り入れた本人ではありません。
帯のシステムが普及したのは彼の死後、70年代の終わりから80年代初頭にかけて
バイーア州、もしくはその他の大都市のカポエィラグループが使用し始めたとされます。
しかしメストレ・ビンバは、彼の生徒としての卒業を認めたときのイベントの際、
その生徒の熟練度によって、それぞれ色付きのハンカチーフを首にかけていました。
それが現在の帯、そして色のシステムに影響していると考えられます。
カポエィラは奴隷やごろつきの悪いイメージから、一般市民と国に認められるものまで登りつめ、
いまではブラジルの大切な文化となりました。人種、性別、年齢に関係なく、多くの人々に愛され、
親しまれています。その人気の急上昇と共に、他のスポーツと同様、
カポエィラにも多くのグループと団体が誕生し、組織化されていきました。
その何千とあるカポエィラのグループ、そしてその先生やレベルを管理すること、
そして統一することは今のところはまず不可能とされています。そしてそれぞれのブラジルの州においては
それぞれの異なる組織と考え方とがあり、ブラジルのカポエィラが一体となることをより困難にしています。
現在、サンパウロのカポエィラは、ブラジル・オリンピック協会に所属する
ブラジル・カポエィラ協会によって一応監督、管理され、
各都市のカポエィラの学校やジムも一応各州の管理の下で運営されています。しかしこれもまた各州の組織の間で、
ルールやその基準が異なり、しばしば対立の元となっています。特に、レベルを示す帯の色
(柔道と同様に帯の色で段付けを行っている)の基準が組織によって異り、技の名前、リズムの名前、
大事な楽器の数などまでが、独自のスタイルという名目に変化を見せてきているのです。
生徒のレベルは、練習の中でレベルに従い、攻撃と防御のレベル、
敏感生や柔軟性、歌と楽器、グループの運営、先生との信頼性など、総合的に見て判断します。さらに、自制心、判断力、
相手に対する敬意の基本的概念を備えているかどうかも観察し、次の段階に入る準備が出来ているかどうかも判断します。
そして最終的にはこれらの総合的な能力以外にもさらなる精神的な強さが求められます。
なぜなら、真のカポエィリスタになる為には、怒りや恐れに打ち勝ち、自制と敬意の精神を学び、
自分という一人の人間を克服するあらゆるテストをパスしなければならないのです。
カポエィラは、実際に人を傷つけ、死にも追いやることの出来る高い攻撃能力を持つ武術ですが、
決して喧嘩や相手を倒す為に使うものではありません。強さを誇示するものではなく、
力のないものが、どうやって相手と同等に闘い、踊るのか、頭を使い、だますこともありますが
それは悪魔でもルールの中に従い、決して実生活には用いません。強いもの、そして経験者は
どうやって初級者に対して相手の良いところを出してあげれるのか、相手をつぶす、押さえ込むのではなく、
相手と同じレベルに自分のレベルを持っていき、さらに自分は防御を完璧にする必要もあります。
それらのことが身につくためには、怒りや恐れに打ち勝ち、自制と敬意の精神を自ら克服することが必要です。
ブラジル・カポエィラ連盟
(Confederação Brasileira de Capoeira - CBC, Vinculada á Federação Internacional de Capoeira - FICA)
は以下の基準で、各レベルの帯の装着を指示しています。当グループはこの帯の基準を用いています。
この基準を使用している団体はサン・パウロに目立ち、ブラジル国内や世界的に統一されているわけではありません。
<生徒> |
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0段:帯なし |
aluno iniciante(初級者) |
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1段:緑 |
aluno batizado(洗礼/命名をうけた者) |
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2段:黄色 |
aluno graduado (練習者) |
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3段:青 |
aluno adaptado(順応者) |
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4段:緑・黄色 |
aluno intermediário (中級者) |
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5段:緑・青 |
aluno adiantado(上級者) |
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6段:黄色・青 |
aluno estagiário (研修生) |
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<指導者> |
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7段:緑・黄色・青
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aluno formado(卒業生) |
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8段:白・緑 |
monitor(講師) |
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9段:白・黄色 |
professor(先生) |
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<師範> |
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10段:白・青 |
contra-mestre(準師範) |
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11段:白 |
mestre(師範) |
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<熟練師範> |
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12段:白・ブロンズ |
(師範) |
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13段:白・銀 |
(師範) |
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14段:白・金 |
(名誉師範) |
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15段:金 |
(最高師範) |
(注意)この表は、各自の熟練度に対する帯の色を示すもので、
最も一般的とされる段付けである。各グループによる差異もある。
ユニフォーム
カポエィラの古い伝統で、真っ白の服に身を包む習慣があります。その習慣の理由を
"本物のカポエィリスタは、決して相手に当らず、決して汚れることはない・・・" とカポエィリスタは語ります。
かつてカポエィラが最も発展したとされるバイーア州、サルヴァドールでは、特にこの白という色が
特別に扱われる理由があります。それは、アフリカ起源とされる、黒人宗教カンドンブレが、儀式に真っ白の服装を
用いるからです。そこからカポエィラも儀式化されるに従い、白い服装でそろえたことが伺えます。
この習慣は今日ではカポエィラの基本となり、どのグループ、団体、学校やジムのユニフォームにも白が用いられます。
特に昇段式(バチザード)においては、必ずと言っていいほど白のユニフォームが身につけられ、
この真っ白で身を飾るユニフォームは今ではカポエィリスタのトレンドマークにさえなっているといえるでしょう。
カポエィラ・アンゴーラではまた違いますが。。。

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